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大阪大学:AI技術とナノポアセンサでウイルスの複数種識別に成功! -- 一回の検査で複数のウイルス、感染症の原因特定に期待
2020年11月11日
【研究成果のポイント】
◆1個の粒子を検出できるナノポアセンサとAI技術を組み合わせることで、複数のウイルス種について高精度判定を達成
◆シグナル解析にAI技術を応用し、人間の目では識別できないわずかな電流波形の差異を判別することで高精度ウイルス種判定を可能に
◆従来手法の性能を大きく上回る迅速・簡便かつヒト依存性のないウイルス検査キットへの応用に期待
●研究の背景
現在、臨床現場におけるウイルス感染の判定は、対象となるウイルスの遺伝子を増幅させるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応(※4))法や、1対1の抗原抗体反応(※5)を基盤とするイムノクロマトグラフィー(※6)で行われています。これらの手法はそれぞれ精度と迅速性の観点から非常に優れた手法であるものの、PCR法は判定まで一定の時間が必要であり、さらには対象のウイルス由来の特徴的な遺伝子情報が必要です。一方イムノクロマトグラフィーでは、キットの作製にはウイルスの抗体が必要であり、さらにその識別精度が人に依存するという課題がありました。
今回、本研究グループでは、ナノポアセンシングの単一粒子検出能という究極の感度を用いて、代表的な呼吸器感染症ウイルスの検出を行いました。さらにそのシグナル解析では、波形の高さや幅、尖り具合(尖度)などの形状に関する特徴量のほか、シグナルを分割した際の各領域の値に着目しました。AI技術を用いることにより、これらの特徴量を利用した高次元解析を行ったことで、従来のナノポアセンシングを凌駕した今回の成果へと繋がりました。
●本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)
本研究成果により、多項目のウイルスに対し、感染初期でのウイルス感染証の原因特定が可能になり、感染の早期発展を通したウイルス感染の拡大抑止が期待されます。さらに、症状の類似した感染症に対しても、ウイルス粒子の物理的な特性に基づく人依存性のない判定へと繋がると考えられます。本手法の発展により、従来の1種類のウイルス同定のみに限定されている検査キットの性能を大きく超えた多項目ウイルス検査の実現が期待されます。
◆1個の粒子を検出できるナノポアセンサとAI技術を組み合わせることで、複数のウイルス種について高精度判定を達成
◆シグナル解析にAI技術を応用し、人間の目では識別できないわずかな電流波形の差異を判別することで高精度ウイルス種判定を可能に
◆従来手法の性能を大きく上回る迅速・簡便かつヒト依存性のないウイルス検査キットへの応用に期待
●研究の背景
現在、臨床現場におけるウイルス感染の判定は、対象となるウイルスの遺伝子を増幅させるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応(※4))法や、1対1の抗原抗体反応(※5)を基盤とするイムノクロマトグラフィー(※6)で行われています。これらの手法はそれぞれ精度と迅速性の観点から非常に優れた手法であるものの、PCR法は判定まで一定の時間が必要であり、さらには対象のウイルス由来の特徴的な遺伝子情報が必要です。一方イムノクロマトグラフィーでは、キットの作製にはウイルスの抗体が必要であり、さらにその識別精度が人に依存するという課題がありました。
今回、本研究グループでは、ナノポアセンシングの単一粒子検出能という究極の感度を用いて、代表的な呼吸器感染症ウイルスの検出を行いました。さらにそのシグナル解析では、波形の高さや幅、尖り具合(尖度)などの形状に関する特徴量のほか、シグナルを分割した際の各領域の値に着目しました。AI技術を用いることにより、これらの特徴量を利用した高次元解析を行ったことで、従来のナノポアセンシングを凌駕した今回の成果へと繋がりました。
●本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)
本研究成果により、多項目のウイルスに対し、感染初期でのウイルス感染証の原因特定が可能になり、感染の早期発展を通したウイルス感染の拡大抑止が期待されます。さらに、症状の類似した感染症に対しても、ウイルス粒子の物理的な特性に基づく人依存性のない判定へと繋がると考えられます。本手法の発展により、従来の1種類のウイルス同定のみに限定されている検査キットの性能を大きく超えた多項目ウイルス検査の実現が期待されます。